孤独の発明

主に米作りとか酒造りについて

島根の酒米

定植

本日縁の舞を定植。 丈が短いから、水没した苗がいくらかある。苗箱の底土が少なかったために肥料切れが早かったことと、苗ふみの頻度が多すぎたのだろうか。そもそも、田んぼの高低差がありすぎることが根本的な問題なのだけど。 それにしても、プール育苗…

3.5~3.8葉期

だいたい3.5~3.8葉期。 今日定植のつもりだったが、いろいろ他の仕事やってたせいでタイムオーバー。今からやっても今日中には終わらないから明日に持ち越し。 4葉になったくらいで植えようか、とか思っていたけど、いい加減葉色も落ちてきたし、改良雄町の…

2.3葉期

試験栽培の調査を担当する農技センターの担当者と、県央普及部の職員が来て、縁の舞の苗の状態を確認してくれた。 「揃っていて、葉齢のわりに丈が短くがっちりしていて、良い苗」とのことで、まずは一安心。プール育苗と苗踏みが功を奏してくれたのだろう。…

1.5葉期

四月二十五日に、早いものは1.5葉期に入り始め、遅いものもほぼ芽が出そろってきたので、軽く苗ふみを行った後でプールに入水開始。 そして、二回目の苗ふみを行った今日(五月一日)はこんな感じ。わかりにくいけど、早いものがもうすぐ2葉期にはいりそう。…

芽だし~緑化

播種から48時間後に苗箱の様子を確認してみると、芽が出だしている! これで、発芽の失敗によって一作潰すという最悪の事態は免れた。芽出ししている二日間は、マジで、芽が出てこなくてどうにもこうにもならなくなる、という悪夢を見たので、本当に安心した…

播種準備

縁の舞の催芽が終了。 例年(改良雄町)の浸種~催芽は、十度以下の低温で二週間以上水につけておいて(積算温度120度くらいが目安)、発芽寸前になったら、ふろの残り湯に一晩漬けて、一気に鳩胸状態に持っていき、洗濯機の脱水機能で水を払って、播種日ま…

2019年度 縁の舞 試験栽培

04/09 浸種 04/16 播種準備 04/17 播種 芽出し 04/17~19 芽出し 04/19~23 緑化 04/25 1.5葉期 入水開始 05/09 2.3葉期 05/23 3.5~3.8葉期

試験栽培 縁の舞 浸種 2019/04/09

本日縁の舞を浸種した。 グレーダーで選別された種のようなので、塩水選は無し。一応、種を水に入れて、浮いてきたモミだけは弾いた。 千粒重の大きな品種だと聞いていたが、見た感じでは違いがわからない。基本的に酒米しか作っていないので、大きい種もみ…

遠呂智舞

島根県の酒米新品種の名が正式に「縁の舞」に決定したようで、目出たいことである。 正直、ぱっとしない名前だと思うが、決まってしまったものはしょうがない。公募で決定するとなると、どうしても無難なものが選ばれてしまうのだろう。文句のつけようがない…

縁の舞

島根の酒米新品種の件で、農技センターやら県の担当者やら農協やらと話し合い。 去年、古い酒米を見よう見まねで試験栽培してみたが、ちゃんとしたやり方での試験栽培を間近でみられるのは興味深い。 新品種の栽培特性については、いろんなところで聞いてた…

京都旭

品種の来歴はこちら 四月二十日浸種。発芽は遅い。四月三十日頃になって、ようやく半分くらい鳩胸状態になる。ふろの残り湯で加温してみるが、あまり芽が出てこない。 五月九日播種。意外に発芽率は良かったが、苗の生育は良くない。 五月二十七日定植。苗は…

雄町1号の品種特性

品種の来歴はこちら この品種と八反流2号に関しては、種の注文が遅れたので他の品種と比べて、播種日で約一週間、定植日で三週間遅くなっている 五月十二日に浸種。 五月十七日に播種。気温が上がってきていたので、温床マットだと温度が上がりすぎるかな、…

中生曲玉の品種特性

品種の来歴はこちら 四月二十日浸種。四月二十七日の時点ではまだまだ発芽せず、四月二十九日まで待ってわずかに発芽が見えたから、風呂の残り湯に一晩漬けて加温し発芽させた。四月三十日に水を切って冷蔵保存。 五月九日に播種。発芽率は意外と良いが、発…

福山の品種特性

品種の来歴はこちら 四月二十日浸種。四月二十七日、わずかに鳩胸状態。幸玉や八雲、改良雄町などに比べると遅いが、意外と早い。四月三十日に水を切って冷蔵保存。 五月九日に播種。発芽率は意外と良く、ほとんどの種が発芽した。 五月二十七日定植。生育は…

八反流二号の品種特性

品種の来歴はこちら この品種と雄町1号に関しては、種の注文が遅れたので他の品種と比べて、播種日で約一週間、定植日で三週間遅くなっている 五月十二日に浸種。 五月十七日に播種。気温が上がってきていたので、温床マットだと温度が上がりすぎるかな、と…

終わった!

試験栽培していた酒米の、心白率と千粒重の調査がようやく終わった。 あとは直売所にもっていって、食味計にかけるだけ。誤差は少なからずあると思うけど、それぞれの酒米の特徴が、だいたいどんな感じなのかは掴めた気がする。 やったところでどう、という…

島系78号

酒米新品種島系78号の商業栽培が来年から可能になる、というような話を、どこかで聞いたような気がしていたので、農協を通じて種の注文を出してみたけれど、 「いや、来年は無理だよ」 みたいなことを言われた。 この品種の導入については、詳しい話はよくわ…

亀治の品種特性

品種の来歴についてはこちら 四月二十日に浸種。芽を切るのはわりと早く、四月二十七日頃にはいわゆる鳩胸状態になっていた。 五月九日に播種。温床マットを用いて三十二度で二日間加温し、芽出し。発芽率良好。 五月二十七日に定植。苗の生育は良好。 晩生…

元祖亀ノ尾の品種特性

品種の来歴はこちら 四月二十日に浸種。発芽時間はそれほど早くなく、四月三十日頃に鳩胸状態になる。 五月九日に播種。温床マットを用いて三十二度で二日間加温し、芽出し。発芽率は良いが、あまり苗に勢いがない。 五月二十七日に定植。苗の生育は、他の品…

改良雄町の品種特性

改良雄町は、試験栽培を行った九品種とは違って普通に栽培したため、生育条件が他とは異なる。そのため、単純に特性を比較するわけにはいかないかもしれないが、僕はこれまで改良雄町を四度栽培した経験があるので、他の品種を見る際の物差しとして使えるの…

八雲の品種特性

八雲の来歴についてはこちら 四月二十日に浸種。幸玉ほどではないが芽を切るのは早く、四月二十七日頃には鳩胸状態になっていた。播種日は他の酒米と揃えたかったので、四月三十日にいったん水を切って、冷蔵保存。 五月九日に播種。温床マットを用いて三十…

幸玉の品種特性

すごくいまさらな事だけど、「幸玉」の読み方って、「さちたま」なのか「さちだま」なのか。それとも大穴で「こうぎょく」とかなのだろうか。それすらもわかっていないのだけれども。 品種の来歴はこちら 四月二十日に浸種。芽を切るのは早く、四月二十七日…

平成三十年度に行った試験栽培と特性調査のやり方について

H29BYの酒造期、季節前講習会で島根県で戦前に栽培されていた酒米品種のことを知った。元々、稲作の歴史や古い時代の酒米については興味があったので、それらの品種について調べてみよう、と思い立った。 「八雲」や「曲玉」などは、現在ではあまり知られ…

島根県の酒米品種まとめ

2017年冬から2018年秋にかけて、島根県の酒米品種に関する歴史の調査や、古い酒米品種の試験栽培などを個人的にやっていた。そこから分かったことなどをざっくりまとめてみました。 序論 ・島根県でかつて酒造用に用いられていた米の品種について 試験方法等…

佐香錦

「佐香錦」 来歴 島根県の奨励品種である「五百万石」「神の舞」「改良雄町」「幸玉」はいずれも心白が大きく、高度精白が難しかったことから、吟醸向きの削れる米を作ろう、という経緯で開発された品種らしい。調べてみたら、品種登録されたのは2001年だが…

神の舞

「神の舞」 来歴 「五百万石」は現代の品種としては冷害に弱いため、平成五年(1994年)の大冷害の際に大きな被害をうけた事が問題になった。 そこで「五百万石」に耐冷性の強い「美山錦」を掛け合わせたのが「神の舞」である。平成八年(1997年)育種、とな…

幸玉

「幸玉」 来歴 「幸玉」は「改良雄町」のさらなる短稈早生化を狙った品種である。「改良雄町」の配布開始から七年後の、昭和四十二年(1967年)から配布が始まった。 「幸玉」は「改良雄町」に「巴まさり」という米を掛けて作られた。 「巴まさり」は北海道…

改良八反流

「改良八反流」 来歴 「改良雄町」と同じく昭和三十五年に配布開始。育種を行ったのは島根県の農業試験場(「改良雄町」の育種を行ったのは、農業試験場赤名分場で、「改良八反流」は本場の方で育種された)。 「八反流2号」と「農林44号(山陰34号)」の交…

改良雄町

「改良雄町」 来歴 島根県農業試験場赤名分場で「比婆雄町」と「近畿33号」を交配し、昭和三十五年(1960年)配布開始。「雄町」の醸造適性を保ちつつ、早生化と短稈化を図った品種。詳しい経緯は知らないが(知っている人がいたら教えてください)、晩生の…

※亀ノ尾

「亀の尾」 かつて「亀ノ尾」が酒造用として島根県で広く栽培されていたという事実はない。そのもっとも大きな理由は、「雄町」を導入できたからではないか。 稲は短日植物といって、夏至からどんどん日長が短くなり、一定以下の日長時間(品種によって異な…