孤独の発明

主に米作りとか酒造りについて

島根の酒米

「旭」 来歴 明治41年(1908年)、京都府の山本新次郎が、在来種「日の出」から変種を発見、選出した。 当初は「朝日」と名付ける予定だったが、育成地の京都府ではすでに同名の品種が存在したため「旭」となった。当時の稲としては短稈で耐肥性があり、品質…

雄町

「雄町」 来歴 今更説明するまでもないかもしれない、言わずと知れた酒米界のビッグダディ。現代の酒米の中で、この品種の血が入っていない品種を探す方が難しいのではないだろうか(たかね錦系統と、八反の系統くらいか)。 安政六年(1859年)、備前国の農…

八反流

「八反流」 来歴 明治八年(1875年)に、広島県の大多和柳祐が在来種から「八反草」を育成。 明治時代、三浦仙之助によって「軟水醸造法」が確立されるなど、酒造業が技術的にも産業面でも大きく発展した広島で、県産の酒造好適品種としてこの「八反草」が見…

穀良都

「穀良都」 来歴 「穀良都」の祖先にあたる「都」は、天保三年(1832年)に弘永半助、内海五郎左衛門の二人が、旧藩主に同道して上洛している途中、摂津の国の西宮あたりで見つけて長州に持ち帰り、農民に試作させたものが大元である。その種を得た西宮の、…

曲玉

「曲玉」 来歴 この品種は農林水産省の農事試験場畿内支場で、「神力」と「福山」という在来種同士を交配して作られた。当初の呼び名は「畿内中69号」。育成開始年が明治四十一年(1908年)で、配布開始年が明治四十五年(1912年)とある。 現代の常識では、…

銀坊主

「銀坊主」 来歴 「銀坊主」は明治の三大品種「愛国」から選抜された品種である。「愛国」の出自には諸説あり、最も有力とされているのは、明治十五年に静岡県の高橋安兵衛が晩生稲「身上越」から出穂の早い株を選抜した「身上早生」が起源であり、明治二十…

八雲

「八雲」 来歴 島根県簸川郡大多美村の西尾彦一が明治二十九年、「八重桜」という品種の稲をハゼ干ししていた跡で、脱粒したこぼれ種から自然発芽してきた稲を選抜して「北部」という品種を育成した。この「北部」から、島根県簸川郡川跡村の梶谷市蔵が早熟…

亀治

「亀治」 来歴 亀治の来歴に関しては二つの説がある。 一つは、松江藩の蔵番の家に生まれた広田亀治が明治三年に「縮張」という晩生品種から選抜を行い、明治八年に品種として成立するようになった、という説。亀治の職業から「蔵本」と呼ばれたり、脱粒の少…

島根県でかつて酒造用に用いられていた米の品種について

暇だったから、島根県で開発された酒米品種について軽く調べていた。 といっても、島根県の酒米品種については、2017年に発刊された「別冊山陰キラリ」という雑誌に載せられている「島根県産の酒米の変遷」という記事に詳しいので、基本的にはこの記事をその…