孤独の発明

主に米作りとか酒造りについて

エルニーニョ

 気象庁の発表によると、今年の夏ごろまでエルニーニョ現象が続く可能性は70%ほどと見込まれているそうで、その影響でことしは冷夏になるんじゃないか、と予測されているらしい。

 長期予報によると島根県は冷夏の影響を受ける可能性が高いようで、今年の夏は低日照、低気温による害を受けるかもしれない。

 ただ長期予報というのは、当たるときは当たるし当たらない時は当たらない(当たり前だ)。確率としてはそうなる方が多いですよ、という事だが、必ずしもそうなるとは限らないのが厄介なところ。冷夏だ冷夏だと言われていても、ふたを開けてみれば去年のようにクソ暑い夏になる可能性だってないわけではない。

 なんか最近読んだ文章の中で、長期的な気象変動(マクロ)と実際の天気の変化(ミクロ)の違いを表現するちょっと気の利いた例え話があって、

 「気象に関する長期予報はクローゼットにどのような服を揃えておけば良いかを教えてくれる。天気予報はその日どんな服を着て出ればよいかを教えてくれる」

 というもの。

 冷夏と予測されているのだから、普段の夏はTシャツとか薄手の上着ばかりでやり過ごしているが、今年はもう一枚上に羽織るものを用意しておいた方が安心ですよ、という感じか。実際にそれを着ることがあるかどうかは、夏になるまではわからないけど、必要になった時にないのは困る。

 農作物を管理するうえでは、低日照と低気温を受けると生育が遅くなり、病気も出やすくなるので、早め早めの防除と葉面散布などによるドーピングを考えていたほうが良いかもしれない。

 稲作については、極早生の五百万石が最も影響を受ける可能性が高い。さらに、低日照が九月以降も続くと、中生品種も危ない。ここ数年の夏の暑さを思うと、冷害が起こるというところまでは、ちょっと想像できないのだけど・・・・・・はたして。

 技術面での対策と言えば、リスク回避のための定植時期の分散。栽植密度をやや少なくすることで、受光体勢と風通しを良くして光合成を進め病害を予防。定植後の水管理で水温を上げ、初期生育を早めて登熟期間を長く取れるようにする。あとは、やはり早め早めの防除か。

 天気が相手のことだから百%対応はできないだろうが、前もって準備して置けば準備していない人よりは悪影響を減らせると思う。

 長期予報の通りに行けば、来年は米質がもろく溶けやすい米ができると思うけど、酒への影響はどうなるかなー。