孤独の発明

主に米作りとか酒造りについて

酒の香り

 普段酒を飲むときには、一升ビンとか四合ビンからグラスについで飲む訳だけど、この位の酒の量では感知できない香りってあるよな、と酒蔵で働いていると思う。
 酒がタンクにある時、あるいは酒を絞ったとき、また、瓶詰めをするときなど、何百~何千リットルもの酒があるわけなので、当然そこから立ち上ってくる香りの量も多い。
 このときに香りを嗅いで、「あ、この香りの原因はあれだな」とわかったとしても、瓶詰めされたら香りの絶対量が減るので、また感じ方が変わってくる可能性もある。
 たれ口で利き酒したときの印象と、製品になったあとの酒の印象が大きく変わるのは、一番の原因は多分酸化となまひねなんだと思うけど、目の前にある酒の量の違いもわりとあるんじゃないかな?
 勉強のために、たくさんの種類の酒を利き比べるのも良いことだろうが、同じ酒を定点的に何度も利き酒するのは大事なことなんじゃないかな、と思う。