こないだ作ったカレー粉で、チキンカレーを作ってみた。
カレー粉の袋に付属していたレシピをそのまま作ってみたら、あっさりしているけどいい感じのうま味とか酸味があって、市販のカレールーでつくったもののような重くどさがなく、食べ進むほどにスパイスの香味を感じる、作った自分で言うのもなんだが、なかなかおいしいカレーができた。
珍しくレシピ通りに作ったのが成因だと思った。普段はほとんどレシピとか読まないし、読んでも有り合わせの材料でごまかしたりしてしまうのだが、やはりレシピ通りに作るって大事。なんたって、その道のプロが考えて、発表されるまでの間に何度も試作試食が繰り返され、研鑽を経てるんだから。たぶん。
- 作者: ラフカディオ・ハーン,鈴木あかね
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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非常に簡潔なレシピなので、ここに引用しておこう。
「鶏肉を一口大に切り分け、煮込み料理の要領で煮る。仕上げにカレー粉を大匙一杯」
本当に、記載はこれだけ。うっかりしていたら気づかず読み飛ばしてしまいそうなほど短い。
この本に書かれているほかのレシピは、それほど詳細ではない場合もあるが、ちゃんと手順をふんで紹介しているものが多い。しかしこのチキンカレーのレシピはやけに簡潔。
気になったので、今日はちょうど鶏肉とカレー粉もあることだし、ギャバンのレシピよりも小泉八雲流のカレーを工夫して作ってみようか、とも考えていたのだけど、
「いや、カレー粉にはメーカーの人が心を砕いて作ったレシピが載せられているんだから、まず先にそっちの方を試してみようよ」
という、嫁さんの至極まっとうな意見により、結局無難な一皿を作ってしまった。それが思ってた以上に美味しかったから良かったんだけど。
チキンカレーに限らず、小泉八雲のレシピを再現してみたら面白いんじゃないか、と思いながらレシピ本を読んでいるのだけど、主に材料とかの面でなかなか再現困難なものが多い。
街のデパートや通販に頼れば再現できなくもないと思うが、このクレオール料理というのは元来地元の素材を生かした土着料理のようなので、無理に場違いな材料を揃えて形だけ真似てみるのは面白くないな、と思ったり。
もう少し暖かくなってきたら自給用の家庭菜園で、必要な材料を調達できるようになるから、またその時にでもやってみるか。春まで忘れていなければ。
そういえば、スパイスからカレー粉を作っている途中で気が付いたのだが、カレー粉の材料として使われているスパイスの半分くらいは、邑南町でも栽培できそうなのだ。ターメリックとクミンとコリアンダーシードは普通に作れるから、とりあえずのカレー粉っぽさは出せると思う。あとは、スパイスの調合だが、栽培できないスパイス原料は、似た感じの原料とか、いっそ邑南町で良く育つスパイスを混ぜて組み合わせてみたりするのも、それはそれで地方独自のカレー粉っぽさが出て楽しいかもしれん。地元産百パーセントのカレー粉って、結構物珍しいだろうから、まあ、金にはならないとしても面白いんじゃないか。気が向いたらこれもやってみるかも。