孤独の発明

主に米作りとか酒造りについて

豆腐

 近所のドラッグストアに寄ったら、ワゴンセールでにがりが半額になって売られていた。
 二百ミリリットルくらいの小さなボトルが、四百円の半額で、二百円。
 大体、ワゴンセールに入っている商品というのは、もとの値段なら絶対買わないようなものばかりで、仮に半額になっていても割高に感じるようなことが多い。
 割安であった場合でも、このにがりみたいに、使いどころに困るような商品が多くて、仕入れ担当は一体どんな客層が買うことを想定していたのか、と不思議になる。
 にがりを手に取ったまま、「こんなもの、本当に買うやつがいるのか?」と考えていて・・・・・・ちょっと欲しいな、と思っている自分に気がついた。
 そうか、俺みたいなやつが買うんだろうな、こういうのは。

 もちろん、豆腐など今まで一度も作ったことがない。しかしにがりを買って帰って、ネットで豆腐の作り方を調べてみたら、思った以上に簡単だった。
 大豆から作るならけっこう手間だが、スーパーで売っている無調整豆乳を使うとすごく楽。
 濃いめの豆乳を七十度くらいに暖めて、にがりを混ぜ、十分ほど置いた後、水を切るだけ。
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 豆乳。成分十%以上の濃い豆乳がおすすめらしいが、今回はスーパーで一番安く売っていた九%の豆乳を使用。
 豆乳五百ミリリットルにたいして、大体こさじ一杯強。
 にがりをいれると一瞬で固まるから、にがりいれた後にはあまり混ぜすぎないのがコツだという。
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 にがりをいれた後、十分から十五分ほど鍋で休ませて、水切り。
 今回はザルにキッチンペーパーをしいて水切り。
 豆腐用の型にいれ、重しをのせたりしてしっかり水を切ったら、木綿豆腐みたいな硬い豆腐になるのだろう。
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 圧をかけなかったので、形のないざる豆腐のようなものができた。五百ミリリットルの豆乳から、およそ百八十グラムの豆腐。豆乳一リットルが二百円位だから、これでおよそ百円分の豆腐。うーむ。
 薄い豆乳を使ったからだろうか。歩留まりはあまりよくない。
 味はおいしい。しかし、一瞬豆腐? と疑問符が付くような食感。絹ごし豆腐のようなツルツル感がなく、まったりモロモロしている。酸味のないクリームチーズというか、カッテージチーズというか・・・・・・当たり前のことを言うようだが、豆乳を凝縮した味。まあ、おいしいとは思う。
 大豆から作れば、違った感じのができるのだろうか。めんどくさそうだけど、にがりはまだたくさん残っているから、いつかまた気が向いたら作ってみようかな。